2010年4月15日

Audi Sport Quattro S1

今年アウディ・クワトロが発表から30年を迎えたとのことで、
そのイベントの一環としてドイツ・インゴルシュタットの本社からGr.BのクワトロS1が日本に運び込まれ、
渋谷のAudi Forum Tokyoに2月から展示されましたが、これは展示の話があった直後に現物を見てきました。

この不況下の日本に於いて、輸入車市場では決してお安くはないアウディが販売台数を増やし続けているのですが、
リーマン・ショックの影響で昨年の東京モーターショーの出品を取りやめたのに、
イマドキのアウディの商品カラーに合わないブツをよく持ってきたなと思いましたw

因みにわたしが好きなのはこのショート・クワトロではなくビッグ・クワトロです。

この個体は、86年のモンテカルロでワルター・ロールによって4位に入賞した個体との触れ込みですが、
ボンネットに貼られた西ドイツ(当時)ナンバーの番号と実際にモンテで走った車両とは合わないっぽい。
まぁこの手のはよくある話で、案外テストカーだった可能性もあります。

WRCでランチアやプジョーに後塵を拝していた84年にデビューしたシュポルト・クワトロですが、
一応サンレモでロールが勝ったもののその後はアウディらしからぬ成績を羅列させ、
苦肉の策として85年のアルゼンチンでこの大ぶりなエアロパーツを付けたシュポルト・クワトロS1を出走させますが、
しかしその後86年シーズンも通じて1勝もすることなく、第3戦ポルトガル終了後にワークスチームは撤退しました。
歴史は以後Gr.Bラリーカー廃止と共にシュポルト・クワトロS1をWRCに出さなかったわけですが、
そうなると、ワークスチームはわざわざ新しい車体を製作する必要がなくなったので、
シュポルト・クワトロS1自体、個体数がものすごく少ないのではないでしょうか?
当時ワークスチームは車体をいくつも製作し、一つの車体で1~2戦WRCに出すともうお払い箱でした。
別に廃車にするわけではなく、テスト車両として更に酷使されたりプライベータに販売されました。
つまり状態のいい個体はそんなに残っていないって事です。

アウディ・シュポルトは、ポルトガル戦後は更に過激なGr.Sラリーカーの開発に勤しんでいたと思います。
世が世なら、その後アウディがWRCでそのラリーカーをローンチしたであろうし、
実際にその開発車両が現存しアウディの博物館で一般公開されているのですから、
かつてのGr.5レーシングカーの様なエアロパーツを付けたS1は過渡期のラリーカーだったのかも知れません。

そう仮定すると徒花でしかなかったS1ですが、
それが昨日の夜アウディ・ジャパンのイベントで日比谷の地下駐車場を激走するとは夢にも思いませんでした!!!
最高出力が500PSとも600PSと云えるアレがです。流石に場所のこともあって、フルブーストではないはずですが。

ドライバーのハラルト・デムートなる人物、ああ、あの人かと思い出す程の人物。
80年代にビッグ・クワトロのワークスカーで西ドイツ選手権のチャンピオンとなっており、
某二玄社のムック本にはサンレモラリーに参戦した彼のテストに立ち会った編集者が同乗走行を体験し、
彼のその機械的な動きのドライビングと、景色の流れる早さに恐怖体験を味わったという記事が出ています(^^;;。

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