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D-Day -欧州製ディーゼル乗用車上陸作戦-

GWもたけなわとなりました。
本日は横浜赤レンガ倉庫を中心に欧州製ディーゼル乗用車を広く一般の人に試乗してもらうというイベントに行ってきました。

 この「作戦」を行った企業がフランスなりイギリスの企業であれば、タイトルに書いたネーミングで行えばいいでしょう。 しかし今回横浜の赤レンガ倉庫を拠点にみなとみらい地区でヨーロッパ製ディーゼル乗用車を一般ユーザーに試乗してもらおうとブチ上げた企業は、 ディーゼルエンジンにおける高度な制御技術を持つドイツのボッシュなのです。 ドイツの企業では流石にこのタイトルは付けられないですね(^^;;。
実はこのイベントのことを知ったのは木曜日のことですが、たまたま岡山県倉敷市で欧州仕様のプジョー307 1.4HDiに乗っている方のブログをを拝読したからです。

昨今の欧州では既に新車登録車両の半分がディーゼル車あるのはよく知られていますが、 ディーゼルエンジン車が選ばれるメリットと現状の日本におけるディーゼルエンジン車の排ガス規制の問題は向こうで詳しく書かれているので読んでいただくとして、
ディーゼル車両のメリットは倉敷-横浜間往復1400㎞以上を無給油で往復したという燃費の良さもさることながら、
例えばプジョー206の場合、日本でも売っている1.6LガソリンNA車と同じ排気量の1.6Lディーゼルエンジンに
インタークーラー付きターボを組み合わせたグレードがあるのですが、最高出力こそ両方とも110PS程度でも、
最大トルクはガソリン車が15.0kg-m/4,000rpmに対してディーゼル車はなんと24.5kg-m/1,750rpm
過給器の力を借りていますが、10年以上前はターボが付いたディーゼル車でもガソリン車とは最高出力で肩を並べることはありませんでした。
高圧な燃料をシリンダーに噴射するインジェクターと、
厳しい排気ガス規制をクリアしつつそれを細かく制御するECUユニットがディーゼルエンジン車の高出力高トルク化に繋がったのでしょう。

200㎞/hを遙かに超えて巡航するディーゼルエンジン車が珍しくなくなった昨今、
モータースポーツの世界でも主にFIA方式のSS主体のラリーを中心に徐々に拡大しつつあります。
最高出力が低くとも、とんでもなく豊かなトルク特性を武器にガソリン車を向こうに回して好成績を得ることも珍しくありません。
欧州の一部国内選手権ではディーゼル車クラスを設定しているところもあるぐらいです。
左上画像のVWゴルフⅣキットカーは1.9LターボディーゼルでMAX190PSを叩き出し、
99年の英国選手権マンクスラリーで2位に入賞した車両そのものです。
TTレースで有名なマン島で行われるラリーですが、高速ターマックラリーとして有名です。

さて、実際の試乗の事を書きます。
雨降る中イベントが開場する11:00AM前に赤レンガ倉庫に行くと、 広場にはドイツ車を中心とした各メーカーご自慢のディーゼル車が展示してありました。ドイツのメーカーが主体なのは仕方がないでしょう。 アルファロメオ156JTDでも展示してくれれば面白かったんだけどねぇw。 会場の裏手に入るとナンバーを付けた試乗車が団体で並んでいました。トヨタ・ヤリス(ヴィッツ)、ホンダ・アコード、 プジョー307SW、メルセデスCLK、BMW530dといった各メーカーディーゼル車の面々。全車イギリス仕様のRHD車で、 このうちメルセデスとBMWがAT車であとはMT車でした。あとヤリスにはリアウィンドウに「AUTO TRADING」、307SWには「PEUGEOT MEGURO」のステッカーが貼ってありました。307SW HDiはプジョージャポン所有車のようです。わたしは曲がりなりにもプジョー車オーナーで、アシグルマにも「経済的な」 プジョー車を所望しているので、この中で一番乗りたいのは307SW HDiでした。

ところが試乗受付カウンターに並んで判明したことは今回の選択車種の中で実際に自分で運転できるのはメルセデスCLKとBMW530dだけで、 他のはMT車であることを理由にスタッフとの「同乗」だと言うことです。 その理由をボッシュのスタッフに問い質してみたところ、結局は「日本」だからRHD車を用意し、「日本」 だからMT車を運転できない人があまりに多い事からそれらを一般のドライバーには運転させられないとのことです(実際はキチンとした説明を受けました)。
RHD車については納得できるのですが、MT車だから運転させないというのはどうなのか・・・・・・。
一般乗用車のAT車普及率が9割で、 AT車限定運転免許などという講習時間を減らした馬鹿げた免許証が出回る国ですからなぁ(鬱)。
わたしはハンドルの左右もMTもATも問題ないんですけどね。

結局わたしはメルセデス・ベンツ270CLKCDiを試乗車に選びました。
メルセデスを持っている知人は何人かいるのですが、自分で運転するのは勿論初めてだから緊張するということはなく、
自分の生活の丈に合わぬクルマを動かしてどーすんだよ!という思いの方が大きかったですね。
飽くまでディーゼルエンジンを試すだけの試乗ですけどね(^^;;。

与えられた15分間の試乗でわかったことは、

①アイドリング時はとてもディーゼルとは思えない。

②エンジン回転数が一定であれば特にガソリン車とは変わらない。  

③加速時においてはやはり「ディーゼル」と感じる。

④加速が実に素晴らしかった(MAXトルクが40㎏-m程らしい)。

と言うことになりますでしょうか。メルセデスの高性能ディーゼルだからこそ加速性能に長けていたのですが、これでプジョー307SW HDiに乗ったらどういう事になっていたか・・・・・・。しかもあっちはMT車ですから、相当な加速力は期待できそうです。 あと排ガスのにおいと色ですが、 この会場に居た限りではこれが全く感じない。実に素晴らしいことではないでしょうか。

電気モーターとガソリンエンジンを持つハイブリッドカーも悪くはないでしょうけど、所詮は 「余分なもの」を積んでいるクルマだけに決して価格が安いクルマではありません。 今後10年経てば燃料電池車も実用化するかも知れませんが、 それらがわたしたちが買えるような額になるのはいつのことなのでしょうか。電気自動車においてもまた然りです。 ディーゼルエンジン車のメリットは何も二酸化炭素の排出量がガソリンエンジン車よりも少ないことや熱効率を生かした豊かなトルク特性だけでなく、 既存のテクノロジーを更に磨き上げて作り上げたものであるからこそディーゼルエンジン車はヨーロッパでは庶民にも裕福な人にも「普通」の存在であることではないでしょうか。 それでも実際は同クラスの車両でガソリン車とディーゼル車との車両価格を比較すると、 少しばかりディーゼル車の方が高いそうです。 あと燃費等の経済性について言えばヨーロッパでは軽油がレギュラーガソリンよりも高価な燃料と聞きます。 それでもディーゼルエンジン車の経済性から見れば完全にガソリン車よりも燃料代が安く済みますし、 何年か乗っていればそれで車両価格の差は解消されることになるのです。

翻って我が日本でディーゼルエンジン車が普及する鍵は軽油に含まれる硫黄分のこともありますが、 このことによって今後軽油の価格もガソリン以上の値上げ幅が出てくるような気がします。 そしてさらなる問題は日本がAT車大国であることから、既存のガソリンエンジン用ATやドライブシャフト等の駆動系が高トルクのディーゼルエンジンに耐えられる物なのかどうか。 強化された別のATを開発するとしたら当然それは高価になり車両価格に跳ね返ってきます。 今回の試乗イベントに持ち込まれた一部のMT車には元々AT仕様車がないとのことで、 やはり駆動系強化のために価格が高くなることを避けた結果だと考えています。

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